フレーベル館110周年記念

ものがたり新人賞

賞の概要

フレーベル館は、創業110周年を迎えた2017年に、新しい才能、すばらしい児童文学作品との出会いを願って、「フレーベル館ものがたり新人賞」を創設しました。未来をひらく子どもたちのために、「知」と「感性」を育むフレッシュな作品をお待ちしております。

厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選定されました!

右手にミミズク

第1回フレーベル館ものがたり新人賞 大賞受賞作

右手にミミズク

蓼内明子/作 nakaban/絵

選考経過

  • 2017年3月14日 フレーベル館ものがたり新人賞創設を発表
  • 2018年4月4日 第2回フレーベル館ものがたり新人賞開催決定
  • 2018年12月20日 第一次選考通過作品の発表
  • 第2回フレーベル館ものがたり新人賞には、125作品のご応募をいただきました。子どもたちの「知」と「感性」を育む、フレッシュでバラエティに富んだ作品が多く集まりましたこと、心より御礼申し上げます。第一次選考を通過し、第二次選考へ進む15作品を発表いたします。最終選考候補作の発表は2019年1月下旬ごろ、受賞作の発表は3月下旬ごろを予定しております。ご期待ください!

    第一次選考通過作品

    • アガタ
    • うちのみかん
    • 海斗くんが こない
    • 風のアマンダ
    • けんか餅
    • さくら色のエプロン
    • サマークエスト ~はじまりの夏~
    • 島の娘マニマニ
    • 探偵は、梅雨の晴れ間に
    • 名まえ、名まえ、名まえ!フシギがやってくる!
    • ねこ塾
    • ハロー・マイ・フレンド
    • ひとすじの光
    • まどいの森
    • 森のふね、うごく。

    (以上15作品/作品タイトルのみ、五十音順)

  • 2019年1月22日 第二次選考通過作品の発表
  • 最終選考へ進む5作品のタイトルを発表いたします。次回、受賞作の発表は3月下旬頃を予定しています。どの作品が受賞するのか、楽しみです。

    第二次選考通過作品

    • けんか餅
    • さくら色のエプロン
    • サマークエスト ~はじまりの夏~
    • ハロー・マイ・フレンド
    • 森のふね、うごく。

    (以上5作品/作品タイトルのみ、五十音順)

  • 2019年3月28日 受賞作品の発表
  • 2019年4月19日 最終選考経過と選評の発表
  • 最終選考会は石井睦美先生、高楼方子先生、山本省三先生、フレーベル館代表取締役社長飯田聡彦の4名にて、2019年3月11日に行われ、大賞1作、優秀賞2作が決定いたしました。

    第2回受賞作品

    <大賞>

    「ハロー・マイ・フレンド」

    村上雅郁(むらかみ まさふみ)

    倉木小夜子にはほかの人には見えない、黒猫の姿をした友だちがいる。家族にもクラスメートにも心を閉ざす小夜子にとって、心のなかで黒猫と会話することだけが心の支えだった。そんな小夜子のまえに、転校生の三橋明來(あくる)が現れ、友だちになろうとつきまとうようになる。明來を拒絶し、彼女を注意深く観察するようになった小夜子と黒猫は、おどろくほど早くクラスに溶け込み人気者になった明來が、実は人の体にふれることでその心を読んでいたということに気づく。そして明來が小夜子にふれたとたん、明來には、だれにも見えないはずの黒猫の姿が見えるようになってしまった。

    ◆1991年生まれ。鎌倉市出身。2011年より本格的に児童文学の創作を始める。賞歴に、第30回アンデルセンのメルヘン大賞入賞「バナナ」、第13回ジュニア冒険小説大賞佳作「ぼくの不思議なアルバイト」。

    <優秀賞>

    「けんか餅」

    桐生 環(きりゅう たまき)

    ときは江戸時代。少年・豆吉は菓子司の大店『鶴亀屋』に小僧として奉公しながら、菓子職人を目指している。『鶴亀屋』の若旦那は、菓子職人としての腕はよいが喧嘩っぱやい頑固者で、周囲も手を焼いている。ある日お客と大喧嘩となり、父親である旦那からひとりきりで商売をして性根を叩き直せ、と修行に追い出され、豆吉もついていくことになってしまった。主従ふたりきりの小さな菓子屋を始めたとたん、またも若旦那が大福の皮の厚さをめぐって喧嘩騒ぎが始まった。丁々発止の大騒ぎをおさめたのは、豆吉の作った習作の餅、名づけて「けんか餅」だった。

    ◆1967年生まれ。静岡市出身。賞歴に、第15回小学館「おひさま大賞」童話部門最優秀賞「コイになった とのさま」(「おひさま」本誌、おひさまセレクション「楽しくなっちゃうおはなし16話」に掲載)。

    <優秀賞>

    「サマークエスト 〜はじまりの夏〜」

    北山千尋(きたやま ちひろ)

    小学校六年生の田辺ヒロキは、弁当屋につとめる母親とふたりで暮らしている。父親は十年前、遊泳禁止の海に入って死んでしまった。そんな父親を「バカ」だと思いつつも、心のどこかでその事故死に疑問をいだいていた。しかしふとしたことから父親の事故直前の写真を見つけ、たったひとりで父が死んだ海を見にいくことを決意する。なぜ父親はこの海へ入っていったのか。過失か、それとも―? 心のなかのわだかまりに決着をつけるために、ヒロキがいどんだひと夏のサマークエスト。

    ◆1970年生まれ。大阪府出身。2013年より創作を始める。日本児童文芸家協会会員。賞歴に、第16回創作コンクールつばさ賞読み物部門佳作「ダイダラボウと秘密の海」、第14回 日本児童文学者協会長編児童文学新人賞佳作「ビデオテープは再生不能」。

    (以上3作品)

    最終選考経過と選評 高楼方子

    最終候補の5作中4作が一人称によるYA作品でした。(その事自体はいいのですが)一人称で書くことの陥穽(かんせい)は、描写よりも、屈託や思いの吐露になりがちなこと、他者を描く手段が会話に頼りがちなこと、そしてなぜか、「物語」としての豊かさ、楽しさよりも、「問題」と「その克服」に重点が置かれがちになることかもしれません。そこが全体に、ちょっと残念でした。

    右のことは「ハロー・マイ・フレンド」にも当てはまるのですが、この作品の場合は、二人が交互に語りを担うため、それぞれの思惑を知らされる立体的な緊迫感があったこと、そしてそれ以上に、一文一文が質量のある言葉で綴られ、ハッとする表現も多く見られたことに、筆力やオリジナリティーを強く感じたのです。文章を読む喜びを味わえるものでした。内容についても、それぞれの形で自己を鎧った孤独な少女二人の稀有な出会いというテーマや、一人の少女の想像上の友人である黒猫の描き方とその去就など、おおむね、よく考えられていましたが、さらに良くなるはずという期待のもと、全員一致で大賞に推しました。

    「けんか餅」は、息の長いリズミカルな文章といい丁々発止の掛け合いといい描写といいプロットといい、完成度抜群でした。主人公の少年より大人たちの方が生き生きしていたとはいえ、作品の価値が下がるわけではないでしょう。ただ、児童書としてどうかという以前に、気風のいい江戸っ子ものというパターンに則った手練れの小説を読んだような既視感を覚え、新しい物語に会った驚きには至らなかったのです。(文句なしに面白い作品に対し、こんなことを言うのはイチャモンなのかもしれませんが)

    「サマークエスト」は、〈父〉の死の真実に迫るという最終的なテーマに向かって、始まりから様々の工夫と含みを持たせた、組み立ての巧みな作品で、そこに梳きこむ形で、友人や周囲の人々を描いていったのは、良かったと思います。でも、不自然な点が散見されたのが気になりました。

    ◆たかどの・ほうこ

    北海道生まれ。絵本、児童書、翻訳、エッセイと幅広く執筆を行う。『わたしたちの帽子』、作絵を手がける「つんつくせんせい」シリーズ(以上、フレーベル館)など。

    選評 山本省三

    二回目の今回、どの作品を大賞に推すか迷いました。

    まず「けんか餅」について。全体的に落語のような雰囲気で結末もすっきりしています。ただ読んでいて若旦那に気持ちが寄ってしまい、主人公である豆吉の物語ではなく思えてしまうのです。この時代に生きる少年の、そして丁稚という境遇で起こる理不尽さをもっと描いていたら、すぐれた児童文学になりえたのに、そこが残念でした。

    「サマークエスト」ですが、父親の死の謎解き、親友との葛藤、母親の恋と題材も揃っていて、読みやすく、感動も覚えました。ただし、主人公が親友になぜあれほどの依頼心を持つのかが引っかかりました。また大人たちが父親の死を乗り越えていないで、それを子どもに押し付けていることも気になりました。

    「ハロー・マイ・フレンド」は、文章に勢いがあり、設定も抜群に面白く、小夜子と明來の二つの視点からの物語の進行にはわくわくしました。ところが、明來が小夜子の秘密に触れたあたりから、急にほころびが目立ち始めるのです。結末も腑に落ちません。しかしながらそれでも作品の魅力は前述の二作を上回っていました。推敲を重ね、読み応えのある物語に仕上がることを期待しています。

    ◆やまもと・しょうぞう

    神奈川県生まれ。日本児童文芸家協会理事長。絵本や童話、パネルシアター、紙芝居の執筆など、幅広く活躍。作絵を手がけた「ゆうれいたんていドロヒュー」シリーズ(フレーベル館)など。

    選評 石井睦美

    大賞の「ハロー・マイ・フレンド」は、孤独な心を持つふたりの少女が友達になるまでの物語だ。今を生きる少女たちの言葉で、その日々が、心のうちが、さわれるように描かれていて、魅力的だ。ふたりに交互に語らせることで、物語に厚みが出て、インナーフレンドである猫の存在や、触れただけで他者のこころが読めるという設定も、無理なく受け取れた。最後、猫は消滅するのかと思いきや、そうではなかった。ここは賛否のあるところだろうが、個人的にはその結末も好ましく思った。

    優秀賞の「けんか餅」は落語を聴くように読んだ。語りなくして物語は成立しないが、ここにはそれがある。ただあまりにも落語的であるため、新味がない感じはぬぐえなかった。ともあれ、ひとの生きざまを、重く生真面目に書くのではなく、熱く、軽みを持たせて描き切ったのは粋だと思った。若旦那の三十歳という年齢設定、さらにこの物語の主役は誰なのか、その疑問は最後まで残った。

    「サマークエスト」は父の死の真相を知ろうとする少年の真っ直ぐな心情が描かれている。彼を慮って、大人たちは彼の父の死を語ろうとしないのだろうが、この少年の必死さに大人が大人として応えていないように思ったのは、そこが書き切れていなかったからか。一方、少年の親友の存在はしっかりと描かれていて、この物語を支えていたように感じた。

    ◆いしい・むつみ

    神奈川県生まれ。作家、翻訳家。2005年~2013年1月まで雑誌「飛ぶ教室」の編集人として活動。『12つきのおくりもの』『みんな、星のかけらから』(以上、フレーべル館)など。

    大賞の「ハロー・マイ・フレンド」はフレーベル館より刊行予定です!

    第3回「フレーベル館ものがたり新人賞」の募集開始は、2020年春を予定しております。本賞は、今後隔年で開催してまいります。

第2回応募要項

※応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。

第2回フレーベル館ものがたり新人賞の作品を募集します。下記の応募要項をご覧の上、奮ってご応募ください。

募集内容

子どもたちの健やかな育ちを支える、小学校中・高学年向けの児童文学作品を募集します。

応募資格

  • 年齢、性別、職業、国籍不問
    ※3作以上商業出版実績のある方は応募対象外

応募規定

  • 自作未発表・日本語表記の作品(ジャンル不問)
  • ひとり1点、他の公募に応募中の作品は不可

応募方法

  • 原稿はA4用紙(横長・片面印刷)に40字×30行縦書きで印字されたものとし、その枚数は20~80枚(400字詰め原稿用紙60~240枚相当)を厳守してください。原稿用紙には必ずページの通し番号をふること(マス目不要、手書き原稿は受け付けいたしかねます)。また、原稿用紙本文の1行目にタイトルを必ず記入。名前・ペンネームは記入しないこと。
  • 原稿には、応募シート(下記からダウンロード)とあらすじ(A4サイズのフリーフォーマットにて400~800字程度)を添付してください。
  • 原稿はダブルクリップで綴じてください(ホチキス使用不可)。

応募締切

2018年9月7日(金)当日消印有効

作品の送り先

〒113-8611
東京都文京区本駒込6-14-9
株式会社フレーベル館 「フレーベル館ものがたり新人賞」係

選考委員

石井睦美

高楼方子

山本省三

(五十音順・敬称略)

フレーベル館

結果発表

受賞作の発表は当サイトにて、2019年3月ごろを予定しています。
※郵送での通知はございません。

大賞 賞状・副賞50万円および記念品 ※大賞作品は単行本として弊社より出版いたします。なお、初版刊行時印税は賞金に含まれます。

優秀賞 賞状・副賞10万円および記念品

お問い合わせ先

フレーベル館 広報 TEL 03-5395-6652
ご不明な点は、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
※件名に【フレーベル館ものがたり新人賞】と記載してください。
※お問い合わせの前に「よくあるご質問」をご覧ください。

注意事項

  • 大賞受賞作品の著作権および入賞作の出版権の第1優先権は当社に帰属します。
  • 応募作品の返却はいたしかねます。
  • 選考に関するお問い合わせには一切応じかねます。

よくあるご質問

以前、他の公募に応募した作品を応募してもよいですか。

応募できません。

自費出版で出したことのある作品を応募できますか。

応募できません。お送りいただく作品は、未発表のものに限らせていただきます。

商業出版していましたが、絶版した作品を応募できますか。

一度でも商業出版したものは、ご遠慮いただいております。

手書き原稿は受け付けていますか。

手書きでの原稿は受け付けられません。パソコンやワープロで印字された原稿のみ受け付けます。

応募シートやあらすじは手書きでよいですか。

手書きでもかまいません。

同人誌で発表された作品を応募できますか。

可能です。ただし、どの同人誌にいつ出されたのかは特記事項欄に明記してください。

総ワード数があっていれば、指定の40×30 字以外のフォーマットで提出してもよいですか。

フォーマットは、応募要項記載の「A4 用紙(横長・片面印刷)に40 字×30 行縦書きで印字されたもの」を必ず守ってください。

自分のブログに発表した作品を送ってもいいですか。

ブログ発表後の応募は不可とさせていただきます。選考にもれた後に発表される分には問題ありません。

子どもが主人公ではないのですが、応募してもいいですか?

読者対象が小学校中学年~高学年の設定であれば、作品の主人公については特に限定していません。

応募した作品は、いつから他の公募に応募してよいですか。

当サイト上で応募した作品が選考途上にある場合は、応募作の他の公募への応募は二重応募にあたりますので、ご遠慮ください。

  • その他、応募の詳細については、応募要項をご覧ください。
  • ご不明な点は、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
    ※件名に【フレーベル館ものがたり新人賞】と記載してください。