2014年度 第3回 編集委員会 報告
2015/05/20
『保育ナビ』7月号掲載
2014年度 第3回保育図書・保育雑誌編集委員会報告
2015年2月に開催いたしました「2014年度 第3回 保育図書・保育雑誌編集委員会」の模様をご報告します。
ご登壇いただきました、社会福祉法人 あすみ福祉会 迫田健太郎理事長、迫田圭子理事 のプレゼンテーションの詳細と、会での討議を踏まえた、弊社編集委員会座長 白梅学園大学 無藤隆先生の講評を紹介します。
『保育ナビ』本誌 7月号 p30-31(左ページ始まりです) とあわせてご覧ください。
![]() |
![]() |
*2014年度のテーマは「保育の質をどう高めていくか」
2014年度、フレーベル館 保育図書・保育雑誌編集委員会では、1年間を通して、保育の質をどう高めていくかというテーマに沿い、研究者や保育者の方にご登壇いただいて参りました。
今年度の最後は、現在、埼玉、東京、神奈川、千葉、群馬と10施設以上を運営し、施設拡大を続けている社会福祉法人あすみ福祉会 茶々保育園グループの実践事例を紹介します。今回、理事長の迫田健太郎氏と、理事の迫田圭子氏にお越しいただきました。理事長の迫田健太郎氏は、コンサルティング会社を経て園に入られ、現在、法人の理事長を務められています。理事の迫田圭子氏は、茶々保育園を創設されたのち、立正大学社会福祉学部教授となり、現在は大学を退官され、法人の理事をなさっています。
今回は『保育のものさし』 というテーマで、社会福祉法人あすみ福祉会の保育の方法についてお話しいただきました。その模様をダイジェストで紹介します。
■「保育のものさし」はあるか?
理事長 迫田健太郎 氏
*感覚的な判断で大丈夫かという疑問
当法人は、埼玉県入間市の茶畑の真ん中で、35年ほど前にスタートした小さな保育園がそのルーツです。今回、発表内容を検討するなかで、今までわれわれが培ってきたもののなかで何がいちばんの財産だろうかと考えました。もちろん、この瞬間も働いてくれている350名の職員は財産であり、子どもたちとつくっている生活そのものも財産です。ただ、こうして発表できるものって何があるだろうかと考えるうち、せっかくのチャンスなので、この機会にわれわれがこれまで考えてきたことの歩みを棚卸ししてみようということになりました。
そして、棚卸ししたものを端的な言葉で言い表したのが「保育のものさし」でした。
*保育業界に来た時に感じた違和感の元
この「保育のものさし」をもとに保育業界全体に目を向けてみると、果たして、われわれが考える「保育のものさし」のようなものを、どれだけの園がもっているのだろうかという問題意識が、心の根底から湧いてきたのです。自園で考えると、それなりに一生懸命やってきたと思っています。しかし、自園も他園も「自分のところはよい保育をしている」としか言わない。その違いはよくわからない。実は、これは、十数年前に私が保育業界に来た時に感じた違和感の元でもありました。
*PDCA、「Check」の根拠を
例えば、PDCAを行うことで、仕事の質が向上しスパイラルアップしていくイメージをもつことはできますが、では、その「Check」って、どうやるの? という疑問が出てきます。では「Check」のものさしなしに感覚的に判断してよいものでしょうか。今回、茶々の取り組みや考え方、書類から研修、保育内容などまでを、断片的にではありますが整理しました。いろいろなものさしを使い、日々の保育を振り返り、反省しながら、次につなげていくというのは、私たちのアイデンティティーそのものです。
*すべては「Happy?」のために
われわれのものさしの根源にあるのは、私共の法人理念である「Happy?」です。これは、経営理念そのものでもあります。初めてお目にかかった人に、「?」が付いている言葉を法人理念としてお話しするのは、なんて失礼なんだろうと思いつつも、私たちがいちばん大切だと考えている思いがこれなのです。すべての保育のシーンで「Happy?」を職員と共有し、常に行動を照らして考える。一種の行動指針です。
*「おばあちゃんのまなざし」を持つこと、がキーワード
私どもの使命は、子ども、親、保育者、みんなにハッピーになって帰っていただくことです。すべての瞬間、そのことを考えているつもりです。これがベースにあって、保育の理念や保育の目標、どのような保育をしているのかということにつながります。私どものこのような考え方を表現するフレーズが『「おばあちゃんのまなざし」を持つこと』です。
*理念は具体的な言葉に置き換えて
茶々保育園が歩んできた35年の営みを振り返ると、懐が深く、たくさんの仕掛けをもっていて、かつ、知恵もある。そんな職員がいつも集まっていると感じます。私たちはこの職員の強みを活かしながら、子どもがハッピーなのは当然ですが、それだけでなく、保護者も含めた家族という単位で支援をしてきたという思いが常にあります。この思いをわれわれが考える「おばあちゃん」のイメージに重ね、法人の理念の中枢に置いています。今日あった行事、今日行った保育1つひとつが、「おばあちゃんのまなざし」的にはどうかと振り返るのです。そして、それをより具体的な言葉に置き換えたのが、「7つの想い」(『保育ナビ』7月号 p30-31 参照)です。理念というのは掲げたら最後、心中しなきゃいけないものだと思っていますし、とはいえ、額縁に入れて崇高なものにしてしまったら終わりだとも思っています。
■茶々保育園グループ版、「保育のものさし」
理事 迫田圭子氏
*保育の質の向上のために
当法人は、保育園、認定こども園を合わせて10施設あり(平成27年2月現在)、職員は350人を超えます。日々、すべての職員が、保育の機能、および保育の質の向上に努めています。われわれは、毎年1か所ずつ新規園を開設しています。そのつど40人程度の職員が入職しまたが、新人だからといって、保育について「知らなかった」「わからなかった」では、園の保育の質の向上は図れません。私たちはそのあたりは厳しく、いちばん低い職員のレベルが園全体のレベルであると判断するようにしています。
*園の規模が大きくなるにつれて…
かねて、『保育所保育指針』を遵守しつつ、それぞれの地域性や、職員の実情に合わせた創意工夫を行い、個性的に保育していくことを念頭においていますが、園の規模が次第に大きくなっていくなかで、保育の基本原則を順守するための「保育のものさし」の必要性が近年高まってきていることもあります。また、『保育所保育指針』は、保育士、職員のすべてがしっかりと理解していなくてはならないものですが、しかし、すべての職員において理解が十分かといえばそうとはいえないのが実情です。平成20年告示の際に養成校に在学し、リアルタイムに学んでいた者たちでも完全ではないのです。
*保育の見える化、可視化を
私たちは理解の不十分さを深刻に受け止めながらも、同時に、『保育所保育指針』を理解させることの難しさを感じています。そのようなこともあり、『保育所保育指針』をだれにでもわかりやすく納得させ、それぞれが保育を考える際に照らして見られるような、保育の基本原則の理解を助ける「ものさし」を作成することの必要性を強く感じています。保育の見える化、可視化が必要になってきたということでしょうか。そこで私たちが考えた、『保育所保育指針』や保育の原理原則を理解するための大本になる「保育のものさし」として、「保育理論」「保育実践」に分けて紹介します。
保育理論のものさし
茶々保育園の保育理論を紹介します。
(1)塗り分けた『保育所保育指針』
*保育の基本原則となる、『保育所保育指針』を理解するために
平成20年の告示を受け、まず、①厳守するもの ②努力を課せられているもの ③各保育所の創意や裁量を許容するものや奨励されるものを、それぞれの色で塗り分けました。塗り分けることで、理解しなくてはいけない大切なものを意識できます。あわせて、養護と教育のそれぞれの部分についても塗り分けています。『保育所保育指針』の内容の共通理解を促すため、ビジュアル化、図表化を行いました。
(2)『見える・創りだす乳児保育』と「茶々のこだわりのカード」
*保育実践を蓄積するために
当法人の保育現場での実践をまとめ、『見える・創りだす乳児保育』(萌文書林)という乳児保育用のファイル形式のテキストを作成しました。増田まゆみ先生には、20年ほど前の刊行当初からご協力いただきました。当法人では、日々、この内容を実践しています。また、長年、多くの養成校や現場でも活用いただいています。また、日々の保育実践を「茶々のこだわりのカード」として蓄積し保育現場で活用しています。これら無数のカードやファイルは、私たちの宝物です。
つぎに、大本を踏まえて、細部の理解を助けるために内容をビジュアル化した事例をいくつか紹介します。
***ビジュアル化の例***
(1)養護と教育の一体化
*保育のあり方を示すために
下段が養護。十分養護された環境下で、子どもたちが自らやってみたいとトライしていくイメージを曲線で表した。子ども発達過程から子どもの現在を知り、未来につなげていく保育のあり方を示すものさし。
(2)全体が1つのチーム
*1つのチームになるために
園の職員には様々な職種があり、それぞれの保育指導の意味を示したもの。園の社会的役割である3つの柱(子ども、保護者、地域の子育て家庭)に対して、職員は手を取り合ってその目的を果たしていくべきだと考えている。正規職員、パート、調理員などに関係なく、全体が1つのチームとなっていくための目安を示したものさし。
(3)子どもの発達にみる相互作用
*発達と環境の相互作用を理解するために
『保育所保育指針』第2章にある、子どもは様々な発達の相互作用により発達していくことが理解できるようビジュアル化したもの。子どもは環境に働きかけ、環境との相互作用を通して豊かな心情、意欲、態度を身につけ、新たな能力を獲得していく過程を表している。発達と環境の相互作用を理解するためのものさし。
(4)保護者への報告
*保護者への報告のために
子どもの発達過程を保護者に報告するための育ちの記録。茶々保育園グループは25年間、この発達の見える化を、「育ちの記録」で行っている。保護者への報告のためのものさし。
(5)教育のねらい
*教育のねらいを理解するために
子どもが身につけることが望まれる、心情、意欲、態度、つまり、教育のねらいをビジュアル化したもの。子どもはこのらせんをのぼり詰め、自らの学びを身につけていく。そして、次の心情、意欲、態度が生まれてくることを示す。
(6)保育士の専門性
*保育士の専門性を確認するために
『保育所保育指針解説』に書かれている6つのポケット。その内容をしっかり認識し、1日の保育をこの6つの専門性に照らして行うためにビジュアル化。保育を計画し、実施、評価、改善する際、その都度、かざしてみる目安が必要であり、保育士の専門性を確認するためのものさし(7)保育の計画Vモデル
*保育の計画を確認するために
PDCAサイクルを理解するためのものさし。通称「保育の計画のVモデル」。横軸が順序。下にいくにしたがって個別的、具体的になっていく。毎日行われるPDCAから、年度単位で行われるPDCAまで、それぞれの階層のサイクルがあることを示し、何をものさしとしてCheckしてゆくのか、そして、次のどのPlanに活かしてゆくのかを明示したもの。(8)お帰りなさいボード
*保護者と保育を共に理解しあうために
1日の保育の内容を保護者に報告する。毎日、保育者がその日の保育をPlan、Do、Actionし、Checkを保護者と共有する。養護と教育を一体的に行ったこと、今日の保育のなかの保育の専門性に該当する箇所のものさし。養護は緑、五領域の健康は青、人間関係は黄色、環境はピンク、言葉はオレンジ、表現は赤で色分けしアンダーラインをする。保護者も楽しみにする報告書。『保育所保育指針』と、法人の「7つの想い」について保育者が大事にしたポイントや、思いを書く。毎日10分で書き上げることを目標にする。この表に沿って保育を整理し、机に座った途端書き上げられるようにするのがねらい。10分で書き上げられるようになった職員たちを見るにつけ成長を感じる。
こうした数々のものさしは、まず、『保育所保育指針』を順守したものでなくてはならず、なおかつ、法人の理念に沿い、みんなが納得できるものでなくてはなりません。そのうえで、“一目瞭然”が求められます。職員が保育を考え、話し合う際、いつも、これらのものさしを手元に置きます。全職員の共通理解のもとでこのものさしが必要になってきています。「いつも左手にものさしを」というのが、私たちの合言葉です。
保育実践のものさし
茶々保育園グループの保育風景から紹介します。
(1)モーニングトーク
*見えない今日を見える化するために
異年齢の子どもたちは、それぞれの顔が見えるように車座になり、朝の会を開きます。保育士が手にしているのは曜日の人形です。昨日、今日、明日と、目に見えない今日の人形が、二度とない今日の活動や、気候やお友だちの誕生日などについて子どもたちと話し合います。「月曜日ちゃん」「火曜日ちゃん」たちが登場する、見えない今日を見える化する活動です。
(2)シーツ人形
*子どもの心の安定を見るために
名称はMyドール。これは子ども自身であり、分身となるアイデンティティーをもつ人形。子どもはその人形をいとおしく抱いて、いつもそばに置いて過ごす。子どもの心の安定を見るためのものさし。
(3)こだわりカード
*7つの想いとの関連を確認するために
保育活動の中で特に園がこだわっている内容をカード化し、7つの想いのどこに関連しているのかを明確にしています。
(4)自然あそびカード
*五感との関係を明確にするために
散歩に出かけそこで出合った自然界の不思議や美しさ、科学性などを遊びで体験し五感との関係を明確にしています。
(5)ビュッフェ
*主体的な食体験のために
3歳以上児の昼食は、ほぼ毎日ビュッフェ形式で、子どもが主体的に食体験にかかわり、達成感のある食事にしています。自分でご飯の量を考えて盛り付けます。出来たての冷えたサラダを盛り付け、ドレッシングを選びます。こうした自ら選べる食事を30年間続けています。食事はほとんど残量がありません。
(6)お茶会
*お茶と親しむために
茶々保育園は茶畑の中に建ち、お茶との関係は非常に深いです。春にはお茶をつみ、手もみのお茶を作り、日々子ども同士、保護者と保育スタッフなどで朝に夕にお茶会を開いています。
(7)次世代に世界を覆う布
*日々の出来事の積み重ねの大切さを感じるために
日々の保育の中で職員が感じとった、その子の様子をエピソードとして記録し、その子に保育者がどのように寄り添い、思いを受け止め、導いていったかもあわせて記録しています。この写真は、そのエピソードをカードに記載し、その子の色合いの織糸を50cmくらいつけ、縦糸に織り込んでいきました。『保育所保育指針解説』にある、各発達過程の特徴別に分類しました。日々の積み重ねが次のエピソードを生み出しています。とても大きな、美しい布です。これは、スウェーデンのエレン・ケイ「児童の世紀」の言葉から着想を得ました。温かな子どもへの援助がどれだけ大切であり、その温かさが次世代に世界を覆う布になってほしいと願う保育所職員の祈りでもあります。
![]() |
![]() |
カードを織り込む前の布 | カードを織り込んだ布 |
■もう1つの「ものさし」
理事長 迫田健太郎 氏
*ISOの認証取得
たくさんのものさしを作りましたが、果たして、オリジナルの、カスタムメードのものさしだけでよいのかと考えた場合、やはり、それだけでは十分でないと思っています。私たちは、公金をお預かりし、大変、責任のある仕事をさせていただいています。仕事の質を今より向上させていくためには、外部からの客観的な基準をものさしとして取り入れるべきであると考え、ISOの認証取得を行っています。
当初、ISO14001(環境マネジメントシステム)を取り入れましたが、その後、より業務を標準化し、職員の個性を発揮しやすい仕組みづくりをしようということで、ISO9001(品質マネジメントシステム)を取得しました。ダブルで取得している法人は極めて少ないです。
この中で職員たちは、「7つの想い」や法人理念をより具体化し、私ならこういう形で展開するというように自分たちで計画を立て、その計画が進んでいるかどうかを管理し、その報告が私のところにあがってくることが、スパイラルアップの目安となります。客観的に自分たちの業務を見つめ直していく視点をもつことも、保育者としては必要であると思っています。
*造形と表現、保護者を含めたコミュニティー作りの視点を
最後に、ここで紹介したものさし自体、どんどん変化させていくべきだと最近感じています。一度提示したら終わりということではないでしょう。社会情勢、制度、日本人の価値観などは変わっていきます。一度決めたものを固定化することなく、ものさし自体を見直していく取り組みをしています。例えば、われわれの「7つの想い」は、3年前に体系化した理念です。これまで、「7つの想い」ということで、「7」という数字にすごくこだわってきました。
しかし、いろいろな勉強をするうち、本当に7でいいのか? という思いが出てきました。現在、私たちが、日々行っている保育を捉え直した時、やはり、7では足りないのです。例えば、視点の中に、造形などの表現という部分が足りなかったということに気づいたり、また、保護者を含めたコミュニティー作りが足りないということになったりすれば、その視点を取り入れていくことを考え始めています。作った1つの財産にしがみつくのではなく、それ自体も見直していくというのを組織の風土として、これからも保育に取り組んでいきたいと考えています。
ご清聴ありがとうございました。
*総評*
属人的なことを、
属人化させないで継続させていくために
無藤隆 先生(白梅学園大学)
保育というのは人が相手であり、属人的なことですが、でも、それを属人化しないところにもっていかないと園が続いていかないという点を、本気で考えられたと思うのです。それが、カード等のいろいろなところに見られます。まさに、見える化だけれど、同時に、その見える化が、ある種、モジュール化している。カードはばらばらなだけに、ファイルするなど、わりと大事なことである気がします。
このカードは、道具になります。保育者が職員室で見るだけのものではない。保護者も見るし、子どもも見るし、いろいろな人が見られる。そこに共有ということが生まれると思うのですが、保育で使う際の柔軟性は結構あると感じます。
ある意味でマニュアルだけど、その通りにやればいいというよりは、それを使って、自分の保育をするための道具になっている。カードは、いわゆる法令関係でいう、加除式の書籍ですよね。これは、わりと本質的な意味をもっている感じがして、非常におもしろいと思いました。
*マニュアル的、だけどマニュアル的ではない
もう1つは、1つひとつのカードをさっき見せていただいたけど、ある意味でHow Toが書いてある。やり方が書いてあるけれど、同時に、保育所保育指針に照らしたり、「7つの想い」に照らしたりということになるけれど、いかに子どもの活動を見るかの見方、見る目を育てるかの1つの素材になっている。『保育所保育指針』とか「7つの想い」と書いてあるけれど、それを見てすぐに納得できませんよね。あのように考えるためには、どう実際との間をつなげばよいか、自分で考え直そうと言われているように感じました。実は、簡単に見えるけどあんまり簡単ではない。マニュアル的、だけどマニュアル的ではないところがおもしろいと思います。
また、子どもを見る目というよりは、保育を見る目という点。子ども理解とか子どもを見るとかよく言うけれど、その子どもに働きかけ、世話するという、保育者を含めた保育を見るという視点がすごいと思いました。
そのうえで、子どもが見つけた何かを、どう子どもたちの中で広げて展開し、グループなりクラスなりとして進めていくかという辺りのことは、実際やっていると思うのですけれど(実際に見たわけではないので)、まだ、全体の仕掛けの中にうまく入り込んでいない感じがしました。
*表現とコミュニティーは重要
そういう意味で、「7つの想い」に2つ加えて、表現とコミュニティー。非常に重要な部分だと思います。コミュニティーの始まりは子どものグループ。子どもたちが一人ひとりが個性をもちながらも、グループとしてのあり方を追求する営みがコミュニティーの始まりだと思います。そういう意味で非常に重要な場面だと思います。
例えば、ドキュメンテーションのような考え方は、いわばそのためのサポート論ですよね。けれど、世界にドキュメンテーションという考え方が広がった時、必ずしもそうなっているわけではない。ドキュメンテーションと子ども自身で表現することと、あるいは、子どもがやりたいと言うことは、もっとつながっているはずだけど、写真撮って記録する話に終わってしまいがちです。子どもの活動の発展の中に、それをどう入れていくかとなると、表現、そして、コミュニティーという新たな部分が非常に重要なところではないかというようなことも思いました。
編集部:
思いがしっかりと結実する、茶々保育園のますますのご発展を、心からお祈り申し上げております。本日はありがとうございました。
*今回、ご登壇いただいた、社会福祉法人あすみ福祉会様について、もっと詳しく知りたい方は、以下のアドレスから、ホームページをご覧ください。
http://chacha.or.jp/