フレーベル館110周年記念

ものがたり新人賞

賞の概要

フレーベル館は、創業110周年を迎えた2017年に、新しい才能、すばらしい児童文学作品との出会いを願って、「フレーベル館ものがたり新人賞」を新設しました。未来をひらく子どもたちのために、「知」と「感性」を育むフレッシュな作品をお待ちしております。

選考経過

  • 2017年3月14日 フレーベル館ものがたり新人賞創設を発表
  • 2017年11月22日 第一次選考通過作品の発表
  • フレーベル館ものがたり新人賞に、249作品のご応募をいただきました。 未来をひらく子どもたちに向けた「知」と「感性」を育む、フレッシュでバラエティに富んだ作品が多く集まりましたこと、心より御礼申し上げます。 第二次選考へ進む27作品のタイトルを発表いたします。 次回は2018年1月に最終選考候補作のお知らせをいたします。受賞作の発表は3月下旬頃を予定しています。ご期待ください!

    第一次選考通過作品

    • あおいの夏休み
    • いつか虹の橋まで一緒に
    • 色どろぼうと、春の鬼
    • A列車で行こう
    • オレたち野球部、なんでもやります!
    • かごの中のペンギン
    • 加奈とさくら雨の夜
    • 空堀マンザイ教室
    • 季節に染む
    • ココロノコリはオムライス
    • 越水酒店三代目
    • 縄文の子
    • そして扉をあけるとき
    • ダイヤモンドのかけら
    • たたり たらりら
    • だれにも見えないぼくの犬
    • トイラバーズ
    • 図書室のかなた
    • 夏空
    • なみだアメ
    • 僕はコロッケ修行中!
    • マイ・ネイム・イズ
    • 右手にミミズク
    • ミュケラーダの運命
    • 夜明け
    • 竜とドラゴンの飼育日誌
    • リンネは魔法を使わない

    (以上27作品/作品タイトルのみ、五十音順)

  • 2018年1月18日 第二次選考通過作品の発表
  • 最終選考へ進む7作品のタイトルを発表いたします。次回、受賞作の発表は3月下旬頃を予定しています。どの作品が受賞するのか、楽しみです。

    第二次選考通過作品

    • かごの中のペンギン
    • 加奈とさくら雨の夜
    • 空堀マンザイ教室
    • 縄文の子
    • ダイヤモンドのかけら
    • なみだアメ
    • 右手にミミズク

    (以上7作品/作品タイトルのみ、五十音順)

  • 2018年4月4日 受賞作品の発表 第2回フレーベル館ものがたり新人賞開催決定
  • 2018年4月18日 最終選考経過と選評の発表

最終選考会は石井睦美先生、高楼方子先生、山本省三先生、フレーベル館代表取締役社長 飯田聡彦の4名にて、2018年3月16日に行われ、大賞1作、優秀賞2作が決定いたしました。

第1回受賞作品

  • <大賞> 「右手にミミズク」 蓼内明子(たてない あきこ) 小学6年生のタケルはいまだに右と左の区別がつかない。東京からやってきてまだクラスになじめないミノリに、おせっかいなタケルは、ミミズクの絵を右手に描いてもらって近づく。また、父の食堂でよく見かける父子が、ミノリの弟リクであることもわかった。リクがしょんぼりしているのは、短気ですぐにどなりつける父親のせいだとミノリから聞く。父親とミノリの間にある深い溝を知るタケル。ミノリの悩みを少しでも解決することが自分にできるか? ミノリはクラスのみんなと打ち解けることができるか?……右手のミミズクからパワーを借り、タケルもミノリもクラスのみんなとともに前進する。
  • <優秀賞> 「縄文の子」 やまのべ ちぐさ 舞台は縄文時代。少年モンは土器作りの達人である父と弟のカオとともに海辺のムラで暮らしていた。海の神に感謝をささげるマツリの前夜、父の作った土器をひと目見ようと、神への捧げもののために準備された丸木舟に乗りこんだモンは、見知らぬムラに漂着してしまう。そのムラで土器を作り信頼を集めたモンは、黒曜石を探すという名目で旅に出る。しかし本当の目的は故郷をさがすことだった。一方、残されたカオは、マツリを台無しにされたムラ人たちの怒りから父が病死したと、兄をうらむ。そして、理不尽さと執念のあまり、兄を必死で探す。厳しい道中に経験を積み、人の情けを知るカオ。果たして兄と弟は再会し、赦しあうことができるのだろうか。
  • <優秀賞> 「なみだアメ」 金岡由実子(かなおか ゆみこ) 友だちとケンカし図書館の片隅で思わず泣いてしまった、小学6年生の大地。女性司書の守岡に見られ、不思議なアメをもらう。それは自分の涙から作られ、食べると涙がとまり、味といっしょにその原因もわかるという魔法のアメだった。守岡に「なみだアメ」の秘密を聞いた大地は、守岡から小さい頃に友だちだった冬樹をいっしょに探してほしいとたのまれる。守岡は冬樹から「なみだアメ」の魔法を教わったときに聞いた「魔法はいらない、僕は涙が出ない」という言葉がずっと気になっていたという。とうとう探し当てた冬樹は、長い間入院していて大地が想像していた姿ではなかった。自分がいまさら声をかけてよいのか、迷う大地に守岡の魔法が背中をそっと押してくれる。

(以上3作品)

大賞の「右手にミミズク」は、この秋、フレーベル館より刊行予定です!

最終選考経過と選評 山本省三

第1回ということで、どのような作品が集まるのか正直不安に思う部分もありました。

ところが、最終選考に残った7編は、どれも力作で、いきなりハイレベルのスタートとなったのは、大変喜ばしいことです。

その中から、大賞と優秀賞に選ばれた3編は、それぞれに違う魅力を持つ作品で、どれを推すか、選考委員を大いに悩ませました。

まず優秀賞に選ばれた「縄文の子」ですが、縄文時代を背景に選んだユニークさが高く評価されました。作品のスケール感があり、兄弟の葛藤がしっかり描かれている点も好評でした。構成力も十分で、「ものがたり」らしさでは群を抜いていましたが、土器づくりのエピソードが作品のけん引力になっていればと、惜しむ声がありました。

もう一編の優秀賞の「なみだアメ」は、最終に残った中では、意外に少なかったファンタジー要素のある作品でした。涙をアメに変える魔法を使う図書館司書の設定が魅力的で、ストーリーも大変面白いとの感想が多かったです。ただところどころ構成にほころびが見受けられ、ある意味そこが新人らしさを感じさせました。

大賞「右手にミミズク」は完成度では、他の6作品を大きく引き離していました。まず表題のうまさが目をひきます。そして、登場人物のキャラクターの描きわけがみごと。特にカギとなる主人公の手にミミズクの絵を描く女の子の父親の造形には、感心させられました。ストーリーの運びも読み手をぐいぐいひっぱっていく力があります。選考委員からは、「うますぎて新人らしくない」などとの感想が飛び出したくらいです。そして最近の児童書に多い家庭の問題をこの作品も扱ってはいるのですが、リアルではあるけれど、暗さ一辺倒ではないところも評価されました。その結果、最終的に選考委員全員の意見が一致を見て「右手にミミズク」が大賞に決定しました。

ほんとうにおめでとうございます。今後の児童文学界をけん引する可能性を持った新人の方々の登場に、大いなる期待を抱いています。

選評 高楼方子

候補作はいずれも力作で、選出は心苦しいものでしたが、最も完成度の高かったのが「右手にミミズク」でした。誇り高く個性的な少女と、気性の激しい研究者である父親との関係が徐々に浮き彫りにされていく展開には謎が解けていく面白さと緊張感がありました。父娘の人物像や、愛憎が絡み合う心情などを具体的な行動を通して掘り下げる描き方も秀逸でした。一方では暖かい人間関係がユーモラスに描かれていて、立体的な作品になっていたと思います。剽軽で懐の深い老人が特に魅力的でした。

「縄文の子」は、舞台を太古の時代に設定することで、兄弟間の心理的葛藤、美の追求など、幾つかのテーマをクリアに描いた、骨格のしっかりした作品でした。力強い文章に導かれてぐんぐん読み進め、最後に兄弟が再会した時は、思わず涙してしまいました。ただ、縄文時代の風景を、もっとありありと見てみたかったと思わずにいられません。

「なみだアメ」は、初めのうち戸惑いましたが、登場人物たちの存在感とそれぞれが抱えている問題が、ふしぎなほど真に迫っていて見過ごせず、やはり読ませる力のある作品だと思いました。

選外でしたが、「ダイヤモンドのかけら」は、個人的に好きな作品でした。

選評 石井睦美

大賞の「右手にミミズク」には、学級内での孤立や親からのDVなど、いまの子どもたちの多くが抱えているだろう問題が描かれている。主人公のタケルと祖父との掛け合いも面白く、またタケルの明るい語り口で、重くなりがちな物語を爽やかに読ませているところに好感が持てる。希望のある着地もいい。けれどこの作品のいちばん優れているところは、陰影に富んだ人物の造形にあると思う。多くは登場しないが、ミノリの弟の存在が印象的だ。

優秀賞の「縄文の子」は、最後まで緊張感を持って書かれていたことに、作者の力量を感じた。但し、時代設定となった縄文時代の描き方が足りない。縄文の暮らしをもっと臨場感をもって描けたら、そのなかで生きる登場人物ももっとくっきりと浮かびあがったのではないか。物語の最後、弟カオが兄のモンに対して怒りや恨みが解けていくところも、もう少しの丁寧さが欲しかった。

同じく優秀賞の「なみだアメ」、ごく当たり前の日常になみだアメという非日常がはいりこむあたり、とても自然に描かれていた。小学校6年生の子どもたちが抱える悩みや屈託を解くツールとしてなみだアメが必然だったのかは疑問が残る。なみだアメが際立ってしまうが、日常の描写のほうに魅力を感じた。

第2回応募要項

第2回フレーベル館ものがたり新人賞の作品を募集します。下記の応募要項をご覧の上、奮ってご応募ください。

募集内容

子どもたちの健やかな育ちを支える、小学校中・高学年向けの児童文学作品を募集します。

応募資格

  • 年齢、性別、職業、国籍不問
    ※3作以上商業出版実績のある方は応募対象外

応募規定

  • 自作未発表・日本語表記の作品(ジャンル不問)
  • ひとり1点、他の公募に応募中の作品は不可

応募方法

  • 原稿はA4用紙(横長・片面印刷)に40字×30行縦書きで印字されたものとし、その枚数は20~80枚(400字詰め原稿用紙60~240枚相当)を厳守してください。原稿用紙には必ずページの通し番号をふること(マス目不要、手書き原稿は受け付けいたしかねます)。また、原稿用紙本文の1行目にタイトルを必ず記入。名前・ペンネームは記入しないこと。
  • 原稿には、応募シート(下記からダウンロード)とあらすじ(A4サイズのフリーフォーマットにて400~800字程度)を添付してください。
  • 原稿はダブルクリップで綴じてください(ホチキス使用不可)。

応募締切

2018年9月7日(金)当日消印有効

作品の送り先

〒113-8611
東京都文京区本駒込6-14-9
株式会社フレーベル館 「フレーベル館ものがたり新人賞」係

選考委員

石井睦美

高楼方子

山本省三

(五十音順・敬称略)

フレーベル館

結果発表

受賞作の発表は当サイトにて、2019年3月ごろを予定しています。
※郵送での通知はございません。

大賞 賞状・副賞50万円および記念品 ※大賞作品は単行本として弊社より出版いたします。なお、初版刊行時印税は賞金に含まれます。

優秀賞 賞状・副賞10万円および記念品

お問い合わせ先

フレーベル館 広報 TEL 03-5395-6652
ご不明な点は、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
※件名に【フレーベル館ものがたり新人賞】と記載してください。
※お問い合わせの前に「よくあるご質問」をご覧ください。

注意事項

  • 大賞受賞作品の著作権および入賞作の出版権の第1優先権は当社に帰属します。
  • 応募作品の返却はいたしかねます。
  • 選考に関するお問い合わせには一切応じかねます。

よくあるご質問

以前、他の公募に応募した作品を応募してもよいですか。

応募できません。

自費出版で出したことのある作品を応募できますか。

応募できません。お送りいただく作品は、未発表のものに限らせていただきます。

商業出版していましたが、絶版した作品を応募できますか。

一度でも商業出版したものは、ご遠慮いただいております。

手書き原稿は受け付けていますか。

手書きでの原稿は受け付けられません。パソコンやワープロで印字された原稿のみ受け付けます。

応募シートやあらすじは手書きでよいですか。

手書きでもかまいません。

同人誌で発表された作品を応募できますか。

可能です。ただし、どの同人誌にいつ出されたのかは特記事項欄に明記してください。

総ワード数があっていれば、指定の40×30 字以外のフォーマットで提出してもよいですか。

フォーマットは、応募要項記載の「A4 用紙(横長・片面印刷)に40 字×30 行縦書きで印字されたもの」を必ず守ってください。

自分のブログに発表した作品を送ってもいいですか。

ブログ発表後の応募は不可とさせていただきます。選考にもれた後に発表される分には問題ありません。

子どもが主人公ではないのですが、応募してもいいですか?

読者対象が小学校中学年~高学年の設定であれば、作品の主人公については特に限定していません。

応募した作品は、いつから他の公募に応募してよいですか。

当サイト上で応募した作品が選考途上にある場合は、応募作の他の公募への応募は二重応募にあたりますので、ご遠慮ください。

  • その他、応募の詳細については、応募要項をご覧ください。
  • ご不明な点は、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
    ※件名に【フレーベル館ものがたり新人賞】と記載してください。